はじめに

話題のASCどう設定すればいいのかわからない…



CPAがなかなか改善しない…
こんな課題感はありませんか?
既存の広告手法に限界を感じ、深夜のオフィスでひとり、ため息をついた経験はありませんか?
その気持ち、よく分かります。私もかつては、終わりの見えない分析と調整のループに悩まされていました。
でも、そんな手作業のほとんどを、自分より優秀なAIアシスタントに任せられるとしたらどうでしょう?
この記事では、Meta社が提供する「Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)」について、どこよりも分かりやすく解説します。
ASC広告とは


Advantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)とは、「広告運用の大部分を、AIに任せきる」というものです。
これまで担当者が多くの時間を費やしてきた細かい設定作業をMetaの強力な機械学習が肩代わりし、人はより戦略的で創造的な業務に集中できる。
まさに、AIという名の優秀な部下をチームに迎えるようなもの、と捉えることができます。
なぜ今、AIに任せるのが“最善手”なのか
なぜ今、ASCのようなAI主導の広告に関心が高まっているのでしょうか。
その背景には、プライバシー保護強化の流れがあります。
従来のターゲティング手法が制限される中で、AIが広大なユーザーの海から「未来のお客様」を的確に探し出す能力が、これまで以上に求められるようになった、というわけです。
膨大で複雑なユーザーデータをAIが効率的に処理し、人では気づけない成功パターンを発見してくれる。
こうした背景から、ASCは単なる効率化ツールではなく、変化の時代を生き抜くための“最善手”と言っても過言ではありません。
もう徹夜の分析は不要。従来手法との決定的な違い
ASCの登場で、広告担当者の役割は劇的に変わります。従来の手法とASCを分かりやすく比較すると、次のようになります。
比較項目 | 従来の手動キャンペーン | ASC(Advantage+) |
---|---|---|
良い点 | 特定の層に狙いを定めて細かく配信をコントロールできる。 | AIが最適なユーザーと配信面を自動で探し出し、手間をかけずに成果を最大化してくれる。 |
気になる点 | 設定や分析に多大な時間がかかり、成果が担当者のスキルに依存しやすい。 | 「なぜ成果が出たか」の細かい分析が難しく、AIに任せる部分が大きい。 |
こんな人におすすめ | ブランドイメージを厳密に管理し、特定の顧客層にだけアプローチしたい方。 | 運用工数を削減しつつ、CPAやROASといった事業成果を最大化したい方。 |
CPA削減は当たり前。ASCがもたらす“本当の価値”


ASCを導入する最大の魅力は、もちろんCPA(顧客獲得単価)の削減やROAS(広告費用対効果)の向上にあります。
しかし、本当の価値はそれだけではありません。
日々の細かな調整業務から解放されることで生まれた時間を使って、「どんなメッセージならお客様の心が動くか?」といった、ビジネスの根幹に関わるクリエイティブな業務に集中できるようになります。
これが、ASCがもたらす最大の資産です。
【事例】旅行ブランドMonosは、購入単価を58%も削減した
具体的な事例を見てみましょう。
例えば、旅行かばんブランドのMonos社は、ASCを導入した結果、従来の手法と比べて購入単価(CPA)が58%も減少し、広告費用対効果(ROAS)は35%増加したと報告しています。
これは、AIが人間では不可能な規模と速度で最適なユーザーとクリエイティブの組み合わせを発見し続けた結果にほかなりません。
【事例】ジュエリーブランドJenny Birdは、コンバージョンを17%増加させた
別の角度からの事例として、女性向けジュエリーブランドのJenny Birdが挙げられます。
彼らはASCを既存のキャンペーンと併用することで、購入単価を14%低下させ、さらにコンバージョン(購入数)を17%も増加させることに成功しました 。
このデータから分かるのは、ASCが単に効率を上げるだけでなく、ビジネスの成長そのものを加速させる力を持っているという事実です。
出典: How AI is Powering Marketing Success and Business Growth (Meta公式ニュース)
出典: “It feels like a golden era of advertising again”: An insider’s look at how Meta’s AI ad tools improve ad performance – AdNews
ご覧いただいた通り、CPAの大幅な改善やROASの向上といった具体的な数値が、ASC広告の効果を明確に物語っています。
ASC導入で失敗しない、たった3つの鉄則


「AI任せで簡単なら、誰がやっても成功するのでは?」と思うかもしれません。
しかし、ここにはいくつかの「落とし穴」があります。
実は、ASCで成果を出すには、AIを“育てる”という感覚が欠かせません。
ここでは、導入で失敗しないための3つの鉄則をお伝えします。
ステップ1:データ連携こそが全ての土台
ASCのAIにとって、データは最も重要なものです。
Webサイトのユーザー行動を計測する「Meta Pixel」と、より正確なデータを送る「コンバージョンAPI(CAPI)」の両方を正しく設定し、質の高いデータをAIに与え続けること。
これが、全ての土台になります。
ステップ2:クリエイティブの量と質が成果を左右する
AIのパフォーマンスは、与えられるクリエイティブの「量と質」に大きく左右されます。
最低でも10種類以上のクリエイティブ(静止画、動画、カルーセルなど)を用意し、価格訴求、機能訴求、利用シーン訴求など、様々な角度からのアプローチを試すこと。
これが、AIの学習能力を最大限に引き出すための決め手になります。
ステップ3:「待つ」勇気がCPA改善の分かれ道
ここが、多くの人がつまずく最大のポイントです。
ASCは、開始直後から最高のパフォーマンスを発揮するわけではありません。
AIが最適な配信パターンを見つけ出すまでには「学習期間」が必要です。
この期間は成果が不安定になりがちですが、焦って設定を頻繁に変更するのは逆効果。
AIの学習を妨げてしまいます。
一般的に、1週間で50件程度のコンバージョンが生まれる予算を確保し、学習が終わるまでは辛抱強く見守る姿勢。
この「待つ」勇気こそが、最終的な成果を左右する分かれ道です。
【上級者向け】ASCの効果を最大化するBid Multipliersとは?


ASCは、AIによる広範な自動化で優れた成果をもたらしますが、一方で「特に価値の高い特定の顧客層に、より強くアプローチしたい」という戦略的なニーズが生まれることもあります。
この課題を解決するのが、Bid Multipliers(ビッドマルチプライヤー:入札乗数)という機能です。
これは、ASCのキャンペーン内で年齢、性別、地域、デバイスといった特定のオーディエンスセグメントに対し、人の手で入札の比重を調整できる、いわば「AIの自動運転に、熟練ドライバーの知見を加える」ような機能です。
例えば、
- LTV(顧客生涯価値)が特に高いことが分かっている30代女性の入札を強化する
- コンバージョン率の高いInstagramへの配信比重を高める
といった戦略的な調整を、キャンペーンを複雑に枝分かれさせることなく、一つのキャンペーン内でスマートに実現できます。
ご利用について
現在、このBid Multipliers機能は、Meta社の承認を受けた一部の代理店を通じてのみ利用できる限定的なものとなっています。
Bid Multipliersを活用し、お客様のビジネスに合わせたより高度な広告最適化にご興味がありましたら、ぜひ弊社までお気軽にご相談ください。
Bid Multipliersについて詳しくは下記をご確認ください。


まとめ


本記事では、MetaのAdvantage+ ショッピングキャンペーン(ASC)について解説しました。
AIによる自動化で成果を出すASC広告は、もはやMeta広告運用の主流です。
この記事で解説されている通り、ASC広告の活用はCPA改善の重要な一歩です。
ご自身で導入し、その効果を試すことが欠かせません。
しかし、ただ導入するだけでは効果が出ない、と感じている方も多いのではないでしょうか。
例えば、AIの学習効果を最大化するクリエイティブの知見がなく、期待した成果に繋がらない。
これでは、本来の目的であるビジネスの成長に集中しづらいと感じるのも、無理はありません。
こういったASC特有の悩みや対応策に振り回されず、根本的に成果を出しやすい優遇アカウントを使って運用業務に集中したくないですか?


- ASCの成果を最大化し、安定した広告配信で売上を伸ばしたい!
- 認定代理店のみが使える優遇機能を活用して、競合に差をつけたい!
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よくある質問(Q&A)
- GoogleのP-MAXとは何が違うのですか?
-
両者はAI広告という点で似ていますが、得意領域が異なります。
簡単に例えるなら、ASCは「街中で、まだ自分たちの商品を知らない人に声をかけて興味を持ってもらう(需要創出)」のが得意。
一方、P-MAXは「お店を探している人に、的確に地図を渡す(需要獲得)」のが得意です。
両者を使い分けることで、マーケティング全体を効果的にカバーできます。
- 予算はいくらから始められますか?
-
明確な最低額はありませんが、AIが十分に学習するためには一定のデータ量が欠かせません。
一つの考え方として「目標CPA × 50件 ÷ 7日間」で1日あたりの推奨予算を計算する方法があります。
まずはこの考え方を基に、テストできる範囲で予算を組んでみるのが良いでしょう。
- 魅力的なクリエイティブがたくさんなくても始められますか?
-
はい、始められます。
もちろん、最初から多様なクリエイティブがあるのが理想ですが、まずは今ある静止画や動画の中から、最も反応が良かったものを2〜3パターン用意するだけでも大丈夫です。
大切なのは、少しずつでも新しいクリエイティブを追加・改善し、AIに新しい選択肢を与え続けることです。
参考文献
[1] Meta for Business. 「Advantage+ Shopping Campaigns」.https://www.facebook.com/business/help/329996955613010
[2] Meta Business Suite ヘルプセンター. 「Metaピクセルについて」. https://www.facebook.com/business/help/742478679120153
[3] Meta Business Suite ヘルプセンター. 「Advantage+ カタログ広告のクリエイティブに関する推奨事項」https://www.facebook.com/business/help/453301142106060
[4] Meta for Business. 「Advantage+ Shopping Campaigns and how they work with your existing ads」. https://www.facebook.com/business/learn/lessons/advantage-plus-shopping-campaigns-existing-ads